大谷学園は、明治42（1909）年、左藤了秀によって真宗大谷派難波別院内に設立された「大谷裁縫女学校」を起源とする真宗大谷派の関係学校です。創設以来「報恩感謝」の教えのもと、こども園、中・高等学校、大学を通じて、次代を担う多くの優れた人材を育成し、世に送り出してまいりました。令和4（2022）年には、お陰をもちまして創立満115年を迎えております。これもその間、長きにわたって学園を支えてくださいました数多くの関係者の皆様のご尽力の賜物と感謝しています。

　

　明治期以来、女子教育の伝統を築いてまいりました当学園も、今世紀からは新たな男子教育にも力をそそぎ、平成18（2006）年には「薬学部」の設置に伴い大学を共学化し、その名称を大谷女子大学から大阪大谷大学へと改名、4学部7学科の総合大学となりました。また平成25（2013）年には、東大谷高等学校を阿倍野台より泉北・泉ケ丘の地に移転し、同時に男女共学の高校として再スタートいたしました。この東大谷高等学校では、国際化、教育の情報化とともに、大阪大谷大学と連携し、平成30（2018）年度からは9年一貫教育の「薬剤師育成プログラム」、令和2（2020）年度からは7年一貫教育の「教員育成プログラム」も始まりました。

　

　一方、創立以来女子校である大谷中学校・高等学校では、進学校としての医進、特進コースに加え、平成27（2015）年、凛花コースを設置し、自ら考える力を育てる教育や理科教育、ICT教育にも積極的に取り組んでおります。また、「6年一貫の女子教育」という伝統に加えて、新たに平成31（2019）年度より3か年コースの「高校からの生徒募集」を開始し、一昨年に卒業生を送り出し、進学面でも大きな実績をつくることができました。

　

　また、50年以上にわたり幼児教育を行ってまいりました大谷幼稚園は、時代の要請に応え、平成31（2019）年、新たに「幼保連携型認定こども園」である大谷さやまこども園として再スタートいたしました。大阪大谷大学と連携しながら、従前からの幼稚園教育だけでなく、0歳児からの保育という機能も加え、小学校に入るまでの一貫した保育・教育に取り組んでおります。

　

　当学園は、智慧と慈悲を兼ね備えた人間の育成を目指すという、仏教精神に根差した、確かで変わらない理念に立ちながらも、時代の変化に応じた教育のあり方を常に問い、進みつづけてまいります。

　最後になりますが、今後とも学園の教育活動等に対し皆様方のご支援・ご協力のほどお願い申し上げまして、ご挨拶といたします。